【骨肉腫の闘病記:3】抗がん剤治療スタート
私はかつて小児がんの一種である骨肉腫という稀な病気にかかりました。脚に障害は残りましたが克服し現在は元気に暮らしています。
今回は、術前化学療法について。
【骨肉腫の闘病記:1】ひざに痛みを感じ始めてから骨肉腫だとわかるまで
抗がん剤治療が始まる
2003年1月。初めての抗がん剤治療を行いました。
アドリアマイシンとシスプラチンの最強コンビ。
髪が抜けることが何より怖かった16歳の私は、真っ赤なアドリアマイシンが点滴チューブから身体に流れていくのを見つめて、髪を引っ張って確かめていました。笑
実際脱毛が始まるのは投与から2週間後くらい。先生にも何も聞かされていなかったのですぐ抜けると思っていたんです。
1クール目は1度嘔吐しただけでした。お見舞いに来てくれていた妹と談笑していて急に嘔吐。当時まだ小学生だった妹、つらい思いをさせてしまったなぁと今でも思います。
骨髄抑制もまだそんなにひどくなく、体調も良くなってきたころに脱毛が始まりました。抜けるというより取れるという感覚。長かった髪が抜け、自分が今までの自分でなくなっていく恐怖。
事前に短く切っておかなかったので、後ろでガチガチに絡んで取れなくなった髪を家族に見られないように泣きながら切ったことを思い出します。
4クールの術前化学療法
抗がん剤治療は術前に四回行いました。
1・3クール目 アドリアマイシン+シスプラチン
2・4クール目 イホマイド
薬によって投与日数は違います。2日~7日間かけて薬を投与したのち、1日程度生理食塩水の点滴を続け、身体から抗がん剤を出すよう促します。数日すると骨髄抑制が始まります。
骨髄抑制とは 抗がん剤(化学療法や分子標的薬)治療や放射線治療によって、血液細胞をつくる組織である骨髄の働きが抑制されると、血液細胞を構成する3つの要素である白血球・赤血球・血小板が減少します。 この3つの血液成分が減少することで、それぞれ感染症や貧血、出血といった症状がもたらされます。
白血球や血小板など下がった数値が上がり始めたら普通の生活に戻ります。私含め肉腫の治療をしている人はみんなこの間に一時退院をし、リフレッシュし、まだ次の治療に備えていました。
つらいつらい4ヶ月間、4クールを終えて
ついに腫瘍の切除手術を行います。